記事一覧

シェルター内の空気の流れ|新鮮な空気をどう手に入れる?

JOURNAL

2025.08.29

シェルター内の空気の流れ|新鮮な空気をどう手に入れる?

ー閉ざされた空間でも、新鮮な一息をー

災害や戦争、パンデミック、テロといった非常時に備える手段として、近年「シェルター」への関心が高まっています。シェルターと聞くと、頑丈な鉄扉、厚いコンクリートの壁、地下に設置された秘密の部屋などをイメージする方も多いかもしれません。
実際には、地上設置型や半地下型、屋内設置型など、多様なタイプのシェルターが存在しており、家庭用から公共施設用まで広がりを見せています。しかし、どのような形式のものであっても、「命を守る空間」として共通している要素があります。
それが、“空気の確保”という課題です。


密閉された空間で呼吸は守れるのか?

シェルターは外部からの有害物質を遮断するため、極めて高い密閉性が求められます。これは、放射線、化学ガス、生物兵器などから身を守るためには不可欠な設計思想です。
しかし、密閉すればするほど、次のような基本的かつ重要な疑問が浮かび上がります。

・「空気はどうやって取り入れるのか?」
・「長時間閉じこもって酸素は足りるのか?」
・「二酸化炭素や湿気はどうやって排出されるのか?」
・「外気が汚染されていたら、どう対処するのか?」

これらは、どれも人が安全に、そして健康的にシェルターで過ごすために避けて通れない問題です。緊急事態時、数時間~数日間をこの閉鎖空間で過ごす可能性がある以上、空気の循環と浄化は非常に重要な設計要素となります。



吸気口があるだけでは不十分

シェルターの設計には、通気口や吸気口が設けられているのが一般的です。しかし、ただ空気を外から取り入れるだけでは、問題の根本的な解決にはなりません。
なぜなら、非常時における“外気”は、安全とは限らないからです。以下のようなリスクが現実的に存在します

・放射性物質を含んだ塵やガス
・毒性を持つ化学兵器・工業ガス
・ウイルス・細菌などの病原体
・火災や爆発による煙や粉塵

吸気口を開けたまま外気をそのまま取り込んでしまえば、こうした有害物質が容易に内部に侵入してしまう危険があります。かといって完全に密閉してしまえば、今度は酸素が不足し、内部の湿気や二酸化炭素濃度の上昇が起きてしまいます。
つまり、現代のシェルターには、安全な空気のみを選別して取り込む仕組み=空気の「フィルタリング」能力が求められているのです。



空気を「安全に取り込む」ための発想

現代のシェルター設計では、外部の空気をそのまま取り込むのではなく、高性能な換気・濾過装置を通して空気を清浄化してから取り入れるという発想が主流になっています。
このような装置では、複数層の高機能フィルターを用いて、空気中の粒子状物質(PM2.5や放射性ダスト)、ガス状化学物質、生物性汚染物質を除去し、安全な空気をシェルター内部へ供給します。
また、内部の空気を入れ替える「排気」機能もあわせて整備されており、**新鮮な空気の“循環”**が成り立つようになっています。
そして、こうした現代的な要求に対応する製品の一つが、プロテクトアーツの**CBRNE対応換気装置「ATバリア」**です。



プロテクトアーツの「ATバリア」——呼吸を守る空気の盾

「ATバリア」は、災害・戦争・テロといった非常時において活躍するCBRNE対応換気装置です。
特徴的なのは、単なる換気装置ではなく、“CBRNE災害対応”を想定した構造になっている点です。つまり、化学・生物・放射性物質・核・爆発といった特殊災害から空気を守ることができます。

主な特長

多層フィルタリングシステム
 化学ガスや放射性物質などの汚染物質に対応する多層構造のフィルター。
停電・非常時運転対応
 電源喪失時もバッテリーで一定時間稼働可能。
コンパクト設計
 個人用・家庭用シェルターにも対応可能な小型モデルあり。

▶ 製品の詳細はこちらをご覧ください:

 At-Barrier 150 | プロテクトアーツ株式会社


この「ATバリア」を吸気口に接続することで、外気の安全性を高め、長時間のシェルター滞在でも安心して呼吸ができる環境を整えることが可能になります。



空気が“見えないストレス”になる前に

シェルターの内部環境は、外見の堅牢さだけでは測れません。特に「空気の質」は、体調だけでなく、心理的な快適性にも深く関わってきます。症状としては、「空気がこもっていると感じる」「呼吸が浅くなる」「頭痛や吐き気を感じる」「無意識に不安感が増す」とさまざまです。
こうした症状はすべて、「空気が汚れている」「換気が足りていない」ことによって起きる、見えないストレスの兆候です。いざという時にシェルターに入ったものの、空気が合わずに体調を崩してしまっては意味がありません。
だからこそ、空気を管理するシステムは、最も重要な生命維持装置のひとつとして位置づけられるべきなのです。



まとめ|安心・安全の鍵は“呼吸環境”

シェルターは「守る場所」であると同時に、「生き抜く場所」でもあります。そこで過ごす数時間、あるいは数日間を安全に快適にするためには、食料や水以上に“空気”が重要です。
プロテクトアーツの「ATバリア」は、そうした現代のニーズに応える換気・浄化ソリューションです。空気は見えませんが、呼吸を守ることは命を守ることに直結します。
いざという時、「そこにいるだけで苦しくなる」ではなく、「安心して呼吸できる空間」を。
それを支える技術が、今、求められています。